kensilouのブログ

時代小説土方歳三アボルダージ

新時代小説土方歳三アボルダージ4

蝦夷共和国は3隻の軍艦で作戦を実行する為に小舟で兵を運んだ。

回天艦長甲賀源吾、荒井郁之助、土方歳三が乗り込み。

播竜には、艦長松岡磐吉、新選組、彰義隊、遊撃隊らが乗り込んだ。

高雄改め第2回天には、艦長古川節蔵、陸軍神木隊が乗り込み、準備が出来出航した。

しかし、蝦夷共和国の未来を阻むように嵐が3隻の軍艦を襲いかかった。

風暴に晒されること1日3隻は離れ離れになり計画は、断念されたかと思われたが運良く回天と播竜は合流出来た。

斥候を出し新政府艦隊のいる、今の岩手県宮古市の宮古湾で6隻の艦隊と目指す甲鉄艦を確認、海軍奉行の荒井郁之助に報告された。

荒井は土方歳三らと話を開始した。「土方どうする2隻で作戦を実行するか?」土方は頷き

「そうするしかない最大の敵はガトリング砲だがそれは俺が引受ける。相馬、野村兵の指揮を頼む」相馬は頷き「副長お任せ下さいなあ野村」その野村も頷き「副長ガトリング砲の事頼みますよあれさえ奪えばこちらのものです」土方はニャリと笑い頷いた。「任せておけお前達も死ぬんじゃないぞ」そう言って荒井の方を見て「荒井さん甲鉄艦を制圧したらすぐに乗り込んで甲鉄艦の操縦お願いします」すると甲賀源吾が「土方さん甲鉄艦の操縦なら荒井さんより私が上手いので私に任せて下さい艦の制圧よろしくお願いしますよ」

土方は頷き「はい、お願いします」そう話し会って回天と播竜で決行することが決まった。回天はアメリカの旗を掲げ、播竜はロシアの旗を掲げ宮古湾手前の山田湾を出航した。新政府軍艦隊はこの状況を掴んでいなかったがただ1人国際法に詳しい陸軍参謀黒田涼介(黒田清隆)がもしやジャンプ(蝦夷共和国)軍はアボルダージ作戦をするのでは無いかと、後の日露戦争の英雄東郷平八郎を連れ海軍参謀の増田虎之助に面談した。

増田虎之助は元長州藩の出でジャンプ軍恐れるに足らずとたかを括り料亭で仲間と酒を飲んでいた。それを見た黒田清隆は怒りを示して「おはんらなんば呑気に酒などのんじょる?」すると増田は、「おお、黒田さん貴方も一緒にやらんか」と酒を進めた。「海軍は呑気じゃのう酒など飲んで今ジャンプ軍に襲われたらどがんすっとな?あ?」増田は黒田に徳利と盃を渡し「ジャンプ軍など甲鉄艦でこっぱ微塵にしてくれるから大丈夫大丈夫」黒田は徳利と盃を返し「艦長のおはんが酒ば飲んじよってどがんやって蹴散らすとか?はあおはんアボルダージっていう作戦ばしっちょるとかあー」増田は怒りをみせ「なんかその作戦は?」黒田は笑い「アボルダージも知らんで呑気に酒ばくろうてよか身分じゃのう甲鉄艦ば無くしたらどがんすっとか?」増田は段々と顔色を変え「なんかそのアボルダージは」「アボルダージも知らんでよう海軍参謀が務まるのを平八郎こんバカどんに教えてやれアボルダージがどんな作戦か?」平八郎は首を忙しく左右に振り「黒田さん海軍2等士官のおいがいえませんよ」黒田は笑い「そうやのそいじゃおいが言うちゃろう今ジャンプ軍に一番欲しかとはなんな増田参謀」増田は考える顔を見せ「わからん」「そうじゃろうのわかっとったら呑気に酒など飲んどられんけんの、今ジャンプ軍が欲しかとは軍艦じゃしかも開陽丸を無くしたばかりやけん甲鉄艦ストンウォールジャクソンばねろうとるそいばかっぱらう作戦に出るかもしれん」増田は驚いて「そんな事出来るわけなかろう無人の船では無いぞ」「おはんは本当に海軍参謀か?知らんのうアボルダージは船に第三国の旗を挙げ甲鉄艦に近ずき切り込み隊を乗り込ませ一気に船を制圧しかっぱらう作戦じゃ呑気に酒ば飲んどる時じゃなかぞ」増田は青ざめ料亭を仲間と飛び出した。黒田涼介は思った、(ジャンプ軍がおいの考え違いならよかが榎本武揚という男ならこの作戦ば

考えてもおかしゅうなか)そう思っていた。急遽新政府軍は宮古湾の警戒を務めた。その時東郷平八郎は春日丸に2等士官として乗り込み双眼鏡で辺りを見渡していた。